組立式コンテナハウス・プレハブハウス施工例【6】

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2013年3月から8月にかけて、福島県二本松市で復興作業員用寄宿舎用コンテナハウス合計320台を納入いたしました。当時の経験をご紹介いたします。

東日本大震災で廃棄されたゴルフ場のオーナー様は復興作業員の寄宿舎・宿泊施設不足危機の解消に貢献しようとされ、ゴルフ場既有のクラブハウスを作業員用の大食堂・大浴場とし、クラブハウス周辺の駐車場などの空地を利用し、中国製コンテナハウスで短期間内で大規模の仮設宿泊施設を建てました。具体的な結果として、320台コンテナハウスが計画から竣工まで全部で6か月くらい、竣工後すぐ最大収容人数700人の満員状態で稼働できて、見事に復興事業に貢献できたと言えます。

当時、筆者がの本件の中国商社側の担当者であり、中国のコンテナハウス工場と提携し、商談・生産・現地組立を一貫して担当しました。

最大の課題は二つ、コスト削減と供給速度でありました。

日本製プレハブは建設コスト言うまでもなく高価（中国プレハブ約3~4倍）である同時に、大震災で日本国内需要が高まり、納期がなんと「2年後」であり、話になりませんでした。このため、商機を掴むのに、中国製プレハブ・コンテナハウスを視野に入れたそうです。最初は中国南部都市である深圳を考察したが、そこのメーカーの主力製品「フラットパック」（一台コンテナハウスの部材を1/4の20ftコンテナのサイズに設計・梱包し、4台連結して、20ftコンテナのサイズになり、そのまま運搬するタイプのプレハブコンテナハウス）が輸送上のメリットがあるものの、生産コスト、頑丈さ、また現地組立にはプロの組立作業員でないと品質的に問題が起こりやすい、といくつかのデメリットが共存したそうです。今一で、迷っているところ、筆者（当時筆者が大連地元商社の商社に勤めていました）にお問い合わせを頂き、私が担当者としてご提案したのは今も弊社が協力している大連コンテナハウス工場の製品でした。

コストダウンと生産速度アップの為に、筆者がご提案したのは、深圳と同じく組立式コンテナハウスではあるが、需要ロット数が大きいため、「フラットパック」まで製造・梱包する手間を省いたほうが効率がよいと判断しました。それで、コンテナハウスを成す主要部材である屋根・基盤・建具だけを工場内で製作し、壁断熱パネルなどの部材はそのまま貨物コンテナに入れ現地に輸送し、中国派遣作業員を派遣して現地で加工・組立方案でした。結果として、製造コストは深圳メーカーより約30%コストダウン、納期も大幅に短縮できました。

最初の52台は30Ftバージョン（9メートル長さ）2室x2人部屋タイプでした。画像は当時のフレーム強度試験時の状況です。

フラットパックの梱包を採用せず、コンテナハウスの一番大きい部品である屋根と基盤（一体式溶接構造）を運搬するにはやはり課題があります。サイズは9×2.5メートル、重量0.5~0.7トン、到底人力でそのまま貨物コンテナの中に搬入できるものではありません。オープントップコンテナ（特殊貨物コンテナの一種で、鋼製屋根の代わりに防水シートを掛けるタイプ、クレーンで上からの吊り下げしか搬入できない大型貨物に適用）を利用して、クレーンで上から吊り下げて入れるのは容易いが、特殊コンテナ輸送になり、輸送力の確保困難と輸送費の嵩みで、「フラットパック」方式から離脱するコストダウンの意味がなくなってしまいます。

困難より方法が多く、下図のように、一般の貨物コンテナでコンテナハウスの屋根や基盤を効率よく運搬できるように設計したコンテナハウス基盤・屋根台車が誕生しました。そのお陰で、320台コンテナハウス、640枚屋根・基盤部材が効率よく日本福島現地に輸送できました。