施工事例20 サイディング外壁コンテナハウス(鉄骨フレーム)

今回の案件はちょっと一般的なコンテナハウスとは相違があり、コンテナ特有の波鋼板(コルゲート鋼板)が見えず、つまり外壁鋼板(外皮)が剥がれた鉄骨のみのコンテナハウスの姿になります。なぜなら、施主様は日本現地でサイディング外壁を外面に張る予定だからです。コンテナハウスの利便性、経済性を生かしながら、外観的には従来建築同様のサイディングを使いたい方には、とてもご参考になる事例だと存じます。また、一側面から建築用コンテナハウスの鉄骨の頑丈さ・健全さもご確認できる一例だと考えます。

サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比1
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比1

案件概要

規格:20HC(20フィートハイキューブ)コンテナx6台連棟

納入場所:兵庫県

納入時期:2026年2月

用途:ペット同行遊楽系民泊ホテル

施工範囲:躯体鉄骨+亜鉛メッキ壁下地+下塗り塗装

特徴:日本の既有サイディング外壁材の装着と現地在来工法の木造斜め屋根に備えて、コルゲート鋼板外壁・屋根無し、その代わり亜鉛メッキCチャン下地組み

サイディング外壁コンテナハウスフレーム工場仮組1
サイディング外壁コンテナハウスフレーム工場仮組1

設計経由

ペット連れの家族がゆったりと遊べる柔らかく温かい雰囲気の民泊ホテルにするので、従来コンテナ風の「硬さ」は流石にちょっと雰囲気的には合わないです。外から完全にコンテナには見えないように、コンテナの外部にサイディング外壁材を張ることになったわけです。

コンテナのコルゲート鋼板をそのまま保留し、さらに外部に金具を溶接し、金具にサイディング材を留めるのも手の一つではあるが、2度手間になるのと、余計なコストが掛かるのと、内部にさらに軽天下地を入れると余計に壁が厚すぎるのと、今回は完全にコルゲート鋼板の外皮を省きました。その代わりに、直接Cチャン下地を上下梁の間に溶接します。このCチャン下地の外部は直接サイディングボードを留め、内部は直接内装材の石膏ボードを張り、一石二鳥の下地になります。無論、サイディングボードを張るのに、従来の施工方法通りの野地板、防水透湿シート、胴縁などの下地構造は一般の建築と全く同様です。

下図は、サイディングボードを張る前に、Cチャン下地の上に野地板、横胴縁を入れた状態のイメージです。(図中では、開口などの部分は省略させていただいてます。)

設計パース:サイディング外壁コンテナハウス下地合板と胴縁イラスト
設計パース:サイディング外壁コンテナハウス下地合板と胴縁イラスト(開口省略)

そして、内部は、下図の通り、石膏ボードを張る前はこうなります。

設計パース:サイディング外壁コンテナハウス下地合板装着後の内部イメージ(開口省略)
設計パース:サイディング外壁コンテナハウス下地合板装着後の内部イメージ(開口省略)

サイディング外壁と屋根の問題

上図の野地板・横胴縁を張った後、サイデイングボードを張る直前の様子を見ると、柱の部分まで胴縁で包まれていることがわかります。この横胴縁にサイディングボードを張ると、コンテナの柱までサイディングボードで覆われることになります。壁として、一見何の問題もないのですが、実は大問題が潜んでいます。はい、屋根です。

コンテナの屋根は柱の外面より出っ張ることなく、上図のように柱までサイデイングで包むと、サイディングは屋根よりも一回り大きくなり、屋根が外壁を庇いきれず、軒とサイディング間に隙間ができてしまい、この隙間から雨水が侵入してしまいます。隙間をカバーする部材を溶接できればよいですが、そうするとコンテナの輪郭線を超えてしまい、コンテナとして海上運送ができなくなってしまいます。

設計パース:サイディング外壁コンテナハウス下地合板と胴縁イラスト2
設計パース:サイディング外壁コンテナハウス下地合板と胴縁イラスト2

この問題を解決するのに、防水性能のよい、しかも取り外し可能な軒カバー部材が必要になります。案件設計の当時、このジレンマで苦戦し頭を抱えたところで、お客様は意匠のため、日本で木造の斜め屋根を後で設けたいと言い出してきたので、「渡りに船」となり、それで助かったのです。

その場は凌ぎましたが、このまま問題を残しちゃうと気味が悪いので、その後開発した新品――サイデイング外壁式コンテナハウスでこの問題徹底的に解決できました。(下図はサイディングを張った後のコンテナハウスイメージ)

コンテナには見えない、サイディング外壁コンテナハウス、日本の外壁構造に完全対応
コンテナには見えない、サイディング外壁コンテナハウス、日本の外壁構造に完全対応
サイディング外壁コンテナハウス、製品イメージ②(レイアウト、連棟台数、建具開口位置は全カストマイズ可)
サイディング外壁コンテナハウス、製品イメージ②(レイアウト、連棟台数、建具開口位置は全カストマイズ可)

というわけで、今回の案件には、外壁だけでなく、屋根板もなくなったのです。もしかして、お客様も自分と同じ気持ちなのか、いっそのことで、実は、床合板も省いたのです。そして、「透け透けコンテナ」が誕生したわけです。

工場生産様子

躯体部品生産部分は、ほかの案件とさほど変わらないので、今回は割愛いたします。直接工場内仮組検査時の写真を披露いたします。

サイディング外壁コンテナハウスフレーム工場仮組5
サイディング外壁コンテナハウスフレーム工場仮組5
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比7
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比7
設計パース:サイディング外壁コンテナハウス内部
設計パース:サイディング外壁コンテナハウス内部
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比2
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比2
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比5
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比5
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比9
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比9
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比4
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比4
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比10
サイディング外壁コンテナハウスフレームパース画像実物対比10
サイディング外壁コンテナハウスフレーム、塗装と軽天下地
サイディング外壁コンテナハウスフレーム、塗装と軽天下地

壁による増強無し、完全に鉄骨フレームで勝負する!

下図は出荷前梱包後の状態です。実はこの写真には大きな意味を持っています。外壁や屋根がない以外、別に特別なところはないとお考えなら、下下図の他社のJIS鋼材コンテナハウスを見てヒントを得てください。

サイディング外壁コンテナハウスフレーム出荷前梱包
ラーメン構造JIS鋼材コンテナハウス輸送時フレーム保持用斜材
ラーメン構造JIS鋼材コンテナハウス輸送時フレーム保持用斜材

そうです。ヒントは躯体増強用の斜材はないところにあります。同じく外壁がない鉄骨フレームなのに、一方は簡単に包んで出荷できる、もう一方は「入念」に壁代わりとして斜材を溶接し、鉄骨フレームを増強しなければならない。。それはどうしてでしょうか?弊社が丁寧ではないこと?

本当の理由は、斜材を入れる必要性はないからです。だが、この「必要ない」には、前提があり、それは、この鉄骨フレームが健全であることが要求されます。健全とは、あれだけ太く、丈夫そうに見える柱材と梁材が持っている強度を100%発揮できるとのことです。健全ではないフレームなら、輸送途中の吊り上げや軽い荷積み荷重程度の外力で歪んでしまう可能性は確かにあります。ひやひやと心配されるなら、確かに斜材を入れた方が無難でしょう。しかし、建築モジュールとして使用される以上、部屋内部の斜材はとうとう現地で取られるので、その時に、鉄骨フレーム単独で直面しなければならない地震や台風、豪雪などを考えると、本当に大丈夫でしょうか。。。

まあ、弊社の鉄骨フレームは健全なので、一切斜材補強は要らないですが。そのまま、簡単に梱包して出荷できます。それは、粗いではなく、自信そのものですよ。なぜなら、輸送途中の外力くらい、建築構造物として設計された目標強度と比べたら、2-3割程度しか当たらないからです。逆に言うと、輸送時の外力程度で歪むもんなら、ろくに使えるものにはならないと同意味ですよ。

コンテナのコルゲート鋼板をフレームの間に充満して溶接すると、フレームは確かに増強されます。今回のような増強鋼板の一切ない状況こそ、完全に鉄骨自身の強度で勝負することなります。こんな時、「ぶれ」はするかしないかによって、真の品質が見極められるのです。「何グレード工場」の看板を掛けるだけではないですよ。

もっと、健全な構造のコンテナハウスについて理解したい方は、こちら内容をご確認ください。

あなたのコンテナハウスはラーメン構造?それとも拉麺構造?

終わり

今回は、ちょっと特別なコンテナハウスではありましたが、特別な側面からコンテナハウスへのご理解をより一層深められれば幸いです。また、今回の案件のように、サイディングボードで装飾し、コンテナハウスには見えない、一般建築同然のコンテナハウスを望んでいらっしゃる方はぜひ弊社新品サイディング外壁コンテナハウスの方へご注目ください。

では、また次回までお楽しみください!

サイディング外壁コンテナハウスフレーム記念写真
サイディング外壁コンテナハウスフレーム記念写真

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