コンテナハウス建築におけるコンテナ間連結はなぜ重要?

「コンテナが強い」から「コンテナ建築も強い」との印象が普遍的にあります。コンテナハウス1個1個は確かに強いです。しかし、数台のコンテナハウスを合体させ、連棟コンテナ建築にした場合は、建築全体も強いとは限らないです。その問題はコンテナ間の連結部にあります。

数台のコンテナハウスを連棟させ1つの建築物に合体するには、コンテナ同士を互いにしっかりと連結させ、一体化する必要があります。なぜこれが重要かというと、コンテナ建築を構成する各コンテナは配置方向、鋼板壁量と壁位置が異なるので、コンテナ躯体の剛性がそれぞれ異なる一方、台風力を受け部位や地震力を分担する力もそれぞれ違います。結果として、台風や地震の時に、これらの均一でない災害力がそれぞれ剛性も均一でないコンテナ加わって、各コンテナの弾性変形(弾性域にあり、外力がなくなる時自動に回復する変形)の量と方向は必ずしも一致しません。

連棟コンテナハウスの断面画像、各コンテナの壁量と配置方向の違いよって、剛性も違う
連棟コンテナハウスの断面画像、各コンテナの壁量と配置方向の違いよって、剛性も違う

災害時、コンテナハウスは個体として確かに頑丈で、大した破損は起こらないはずだが、個体を繋ぐ連結部が弱ければ、個体間の変形量・変形方向の「違い」が原因で、建築の上半身(屋根・天井部分、2階建ての場合、2階部分)が個々ばらばらに動いてしまいます。

結果、台風や地震が済んだ後、室内でコンテナ取り合い部を検査すると、せっかくきれいに張った壁紙・石膏ボードが亀裂してしまったり、屋根が漏れてしまったり、ひどい場合に接続部がずれて、壁、天井、床に段差が付いてしまったりします。そのような悩みから守るのは強固なコンテナ同士連結部です。

ここでは、「強固な連結」がポイントです。ガタガタ、ゆるゆるな連結では意味がないです。数トン重量もあるコンテナを数台に連結してできたコンテナ建築物は重いです。あの重い建築上半身(下半身は基礎にアンカーボルトで固結されているので、上半身だけをいう)の動きを統一するには、当然この連結は強固でなければならないからです。

業者によっては、隣接するコンテナの梁・柱に貫通孔(しかも長孔)を開けて、超長いボルトで串刺しするような「連結」方法があります。露骨に言えば、建築全体の挙動を考える時、このような長いボルトは「糸」のような存在としかならず、数台の「箱」を「糸」で綴るようなグラグラ構造にしかならないです。災害力が加わったら、連結機能が期待できないだけならともかく、抑制できない過大なコンテナ間相互移動のせいで、最悪な場合、この「串」となる超長ボルトが梁・柱自体の管壁を傷めて(梁、柱面を局部的に潰してしまう)、局部座屈による急に「ぐにゃ曲げ」が起こる可能性だってあります。連結によって建築全体を強化するどころか、個体であるコンテナ自体の構造も損ない、元も子もなくなります。

コンテナ同士を柱・梁を串刺す超長いボルトによるぐらぐら連結には賛同しがたい
コンテナ同士を柱・梁を串刺す超長いボルトによるぐらぐら連結には賛同しがたい

Uni-Konはそのような「ほんの気持ち」的な連結ではなく、解析を経て本格的な高力ボルトx増強仕口部(梁・柱の交差部にあるコンテナ構造の一番強い部分をさらに増強したもの)での摩擦接合連結を実現し、「箱」と「箱」の上隅をお互いに溶接に等しいほどの強度と剛性で、連結を実現しました。こうして初めて、コンテナ建築の構成ユニットである一個一個のコンテナハウスの主要構造がお互いに強固に接合し、ようやく「強いコンテナ」と「強いコンテナ建築」がイコールになりました。

コンテナ建築におけるコンテナ間の連結(ボルト連結)uni-kon
コンテナ建築におけるコンテナ間の連結(ボルト連結)uni-kon
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