コンテナの開口を自分でやる?

お問合せの中によくあるご質問として「コンテナハウスの建具開口は自分でやるから、ドア・窓の開口のないコンテナ躯体はいくらなの?安くなるの」があります。これをきっかけに、本文はコンテナに穴開けることについて、とことんご説明いたします。

まず、結論:安くならない上、賢くない

まず、結論から言います。自分で開口することはできますか?はい、妥当な道具(グラインダー、プラズマ切断機があれば)、外壁鋼板を切ることは当然出来ます。が、コストが掛かる上、最終的に汚い出来になってしまう場合が多く、あまり賢い選択ではないです。

4つの 理由 :

1) 塗装がダメになる――開口作業と補強作業(開口周辺に角パイプなどの補強材を固定し開口を補強する)で、開口周辺の塗装が切断・溶接などにより破損・焼損し、塗装の補修が面倒だけではなく、補修部の色差や防腐性能低下が免れません。「塗装も要らない、素肌のままで出荷してくれ」とのお客様もいらっしゃいますが、それは現実的にはありえないです。塗装なしでは、現場に着いた時点でもうコンテナ躯体に赤錆だらけで、完全除錆しないと、錆の上に塗装したらすぐ剥がれてしまいます。下塗りだけでも厄介で、運送途中でリッチジンク下塗りは亜鉛成分による白錆ができ、やはり後続の塗装工事に妨げます。(コンテナハウスの塗装についてさらに知りたい方はこちら、コンテナハウスの塗装はどのように構成されていますか

2) 防水が危うくなる――開口周辺の補強材と外壁波鋼板との固定は溶接による場合が一般的です。現場作業の環境・設備・溶接士の技量及び溶接熱による変形・電流過大による薄板の穴開けなどの不利条件に制約され、この隙間を満溶接ではなく(工場は満溶接)、点溶接で賄うしかないです。よって、隙間防水はコーキング材で封じることが余儀なくされてしまいます。コーキング材の経年劣化により隙間浸水・内部腐食のリスクが高いです。

3) 壁が波打つ――コンテナの波鋼板外壁は溶接される時に激しい加熱・冷却により多大な変形内力(応力)が壁に封じられています。工場では先に数枚の壁板で開口を用意し、補強材などを組み立て、形状を保ちながら全溶接し、内力を形状に封じて問題ないですが、現場で壁に大きく開口すると、この内力が一斉に開口部から釈放され、開口縁が波打つように変形します。この変形をきれいに矯正するには長年の経験と多大な手間が要ります。

4) コストが全!然!安くならない――自分で開口作業までやっているから、それなりに安くなるだろう?!とのお考えがあるかもしれないですが、実際は違います。「見えない」部分にある日本側の材料・塗装・人件費などの後続コストを一切考慮せずにして、単に「見える」部分にあるコンテナ売り価格で論じても、「開口ありは高い、開口無しは安い」が絶対ではないです。理由は簡単です:日本で開口する時に切り取った廃材と廃材についた塗料もコストが掛かったからです。中国工場で開口を作る時、開口周辺の壁板を用意するだけで、もともと何もない「空洞」に材料を使わないから、言わば開口が大きければ大きいほど安くなるわけです。開口周りの補強材とそれに掛かる人件費もあるから、これと空洞部分で「節約」できた材料費と完全に相殺する場合が多く、結果として開口の有無はコンテナコストにほぼ影響がないです。(まあ、日本での後続コストは天地の差ですが。)どうしても安くしたいなら、「壁あり開口なし」ではなく、「まったく壁のないコンテナ鉄骨フレームだけをくれ」で注文したほうが間違いなく安くなりますね。(コンテナハウスのコストを安くする方法について、さらに知りたい方はこちら、コンテナハウス価格を安くするには

まとめ: 小さい穴は条件付きOK、大きいのは止めたほうがよい、コンテナハウスを真面目に作ろう

以上の理由で、開口のないコンテナ躯体を買って、自分で穴を開けるのはとても賢い選択ではないです。作業自体はお考えたほど簡単ではない同時に、DIYの素材と時間つぶし手段を提供した以外、コスト節約も何も、何のメリットもないです。中国で開口する時の精度へのご心配は尚更不必要です。弊社の開口精度は⁻0~+2㎜(開口寸法誤差は大きくには2mm程度大きなくなるが、小さくにはならない)で、しかも通常は開口が建具より上下左右5mmずつコーキング隙間を用意するので(所謂設計時既に10㎜大きくなるわけ)、後になって建具が入らいないことは一度もなかったです。

当然ながら、ケーブル配線用、給排水・換気用の小さい孔ぐらいなら、日本現地で臨機応変に開けることは妥当な道具(ここで穴開けビットを指します;出来が悪いから、グラインダーを使わないでください)さえ使えれば、別に全然問題ないです。

まだ、どんなレイアウトにするかは決めていなく、とにかく買ってから考えるとのお客様も結構いらっしゃいますが、以上に述べたように後々の問題が多いから、長年を渡って使うコンテナハウスですから、きちんと・ゆっくり計画・設計してからばっちりのものを作りましょうよ。弊社Uni-Konではパースなり、図面なりの資料を提供しながら検討はできるので、最高のコンテナハウスを、一緒に真面目に作りませんか?

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