コンテナハウスの外形寸法・サイズ・大きさとイレギュラー寸法

コンテナハウスは日本国産品より海外輸入品の方がコスト上のメリットが大きいため、新造建築用コンテナの場合、海外輸入の方が殆どです。また、安く運送できるようにするには、国際間貨物コンテナ輸送船で運搬するのは一番です。

なので、コンテナハウスはコンテナとして運送できるようにとのいう設計の前提条件が存在します。この条件を満たすには、外形寸法は以下のように一定となっています。

20フィート通用型(GP):6058*2438*2591(長*幅*高、mm)
20フィート背高型(HQ):6058*2438*2896(長*幅*高、mm)
40フィート通用型(GP):12192*2438*2591(長*幅*高、mm)
40フィート背高型(HQ):12192*2438*2896(長*幅*高、mm)

沢山のお問い合わせの中で、12フィート、10フィートなどを尋ねられることがありますが、いずれも日本国内鉄道運送専用や内航船運送用専用のもので、国際コンテナ輸送船には載せられず、運送コストなどの原因で、海外から輸入するコンテナハウスとしてはあまり向いていません。

鉄則となる寸法を挑戦したら、深刻な問題になる

コンテナの寸法、各固定孔の位置は輸送・運搬設備に合わせて作ったもので、鉄則のように厳しく制限されています。これを挑戦したら、時には痛い目に遭ってしまいます。

聞いた話ですが、あるカナダのお客様が中国コンテナ工場に、イレギュラーのコンテナハウスを注文したのです。サイズは、長さは標準な12192㎜(40フィート)のまま、幅はオーバーして、8フィート(2438㎜)から14フィートに増幅しました。中国の港の方では、どうにか3台分の運賃で船に載せたのですが、カナダの港では、既有港内トレーラトラックが処理できないから、大問題になってしまいました。そのお客様がカナダの到着港から通告を受け、焦りました。通告は「既有港内標準設備で御社のコンテナハウスに対応できないので、ご自分で車両を用意してスムーズに対応してください。標準作業時間をオーバーした場合、港内作業を妨げる行為と見なされ、5000ドル(日本円約60万)/分間の費用を徴収いたします。」との内容でしたからです。

土地の状況などで、どうしてもイレギュラー寸法のコンテナがほしい場合、イレギュラーコンテナハウスを作って、工夫してレギュラーコンテナにする方法もあります。例えば、10ftコンテナハウスを2個作って、合わせて連結して10+10=20ftになるとか、7ftコンテナを2個作って、階段用のラック6ftと合わせて連結して、7+6+7=20ftになるとか、巧妙的かつ経済的な手法はたくさんあります。これに似た案件で、弊社の施工事例10の3 民泊・ホテル連棟コンテナハウス(イレギュラーコンテナハウス)までご参考ください。

又、幅方向の2438mmの外寸が足りない場合、複数のコンテナを並列して連結したほうが便利です。2438mm*2連結、3連結…のように。土地などの原因で、端数が必要な場合、例えば2.5個のコンテナ幅にしたい場合、ブリッジ(架橋)工法を採用して、2コンテナの間に梁材を跨る方式があります。極端な例ですが、1.5個のコンテナ幅にしたい場合、1)イレギュラーの超幅コンテナを採用するか、2)標準コンテナ1個+在来工法で0.5個分を現地で作るか、3)長方向に沿って0.5個コンテナ幅(1.219m)のものを2つ作って連結運送し、現地に着いたら半分だけ標準コンテナと組んで使う、この3つの方法しかないです。具体的な状況に応じて、選んでいきましょう。

長さ方向のイレギュラーより、幅方向のイレギュラーはちょっと大変なのはご想像できるかと存じます。なるべく避けておいたほうが良いかもですね。

上記訂正:2023年の新製品:JIS鋼材確認申請対応の組立式コンテナハウスなら、上記幅方向の2.438mの制限を3m程度まで広げられます。 長手方向も自由設定できるようになりました。組立式なので、旗竿地などの従来コンテナの入れない土地でも、施工できるようになりました。詳細は、 JIS鋼材確認申請対応の組立式コンテナハウス までご覧ください。

百歩譲って、コストパフォーマンスのことは兎も角、あえてイレギュラーコンテナを作って、イレギュラーのまま運送することも勿論可能です。但し、イレギュラーの分、操作固定の手間や特殊申請手続きなどの原因で、輸送費が何倍も嵩む恐れがあります。ご了承ください。

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