コンテナハウスのデメリット再考

コンテナハウスの技術は日進月歩で、常に進化しています。何年前にデメリットとして指摘されたことが国内外のコンテナハウス業者の日々努力によって、今になって既に解決された、むしろメリットになったことも多々あります。今日のコンテナハウスについて、そのデメリットを中心に改めて認識しましょう。

コンテナハウスにめぐってよく指摘されてきたデメリットを以下6点を挙げます:
1.コンテナハウスは違法建築だ
2.コンテナハウス価格はさほど安くない
3.コンテナハウスは暑いのだ
4.コンテナハウスは雨漏りする
5.コンテナハウスは天井が低い
6.コンテナハウスは錆びやすい

1. コンテナハウスは違法建築だ

中古のISO海上貨物コンテナをDIYで開口を開けて建具を付けるのなら、確かに未だに違法建築とされるのです。なぜなら、貨物コンテナは最初から建築として作られたものではなく、物流道具として作られたからです。建築基準法・施行令などの条例と照らし合わせ、不適合な部分が多く、建築申請しても許可されません。

しかし、今現在コンテナハウスを合法建築するには、3つの手があります。
1) 中古強化法――中古コンテナを購入し、コンテナ箱体の強度を無視して、開口部や柱梁などを内部でJIS鋼材で新構造体を作り補強し、規模によって構造計算書を添付して申請する。
2) 完全新造法――JIS鋼材を用いて構造部が構成された建築用コンテナで建築計画・確認申請すること。
3) 既存建築内利用法――中古コンテナを別の建築物の中に置いて、建築内空間構成用に使うこと。

それぞれの方法のメリットとデメリットを、ここで割愛いたします。

2. コンテナハウス価格はさほど安くない

安いかどうかは参考基準や人よって違います。弊社の扱っている建築用コンテナは内装無しで、20ftユニット50~70万円/本(日本基準港までの輸送費、建具類込み、税別)です。内装込みの場合、90~150万/本となります。JIS鋼材で構成され、建築確認申請にも対応できます。

20Ftコンテナの床面積数≒14平米、単純に計算して、「鉄骨本体+建具込み+輸送費」で3.5~5万円/平米です。「鉄骨本体+建具込み+内装込み+輸送費」でも6.4~10.7万円/平米、しっかりした重量鉄骨建築物で21~35万円/坪の坪単価は結構安いほうであると存じますが。

実はのこの価格は木造とほぼ同様か木造よりも安いレベルです。なぜ重量鉄骨であるコンテナハウスが木造よりも安いかをもっと知りたい方は、このリンクをクリックしてください。コンテナハウスの価格は安いか?はい、鉄骨造で木造よりも安いです。

3.コンテナハウスは暑いのだ

コンテナハウスは一見鉄で作られたので、「暑いんだろう」と思われがちですが、実際は他の建築物と同じ、きちんと断熱材がその鉄板の裏面に張り付いてあり、内装用の石膏ボードも貼ってあり、室内のほうは一般建築と全然変わらないと言えるくらいです。例えば、コンテナハウスの鋼板裏面によく使われる断熱材として現場吹き付け発泡ウレタン、優れた断熱性能があり、5センチ厚のウレタン発泡が30センチ厚の木合板の断熱性に当たります。「外側の鋼板は一般木造建築の場合の金属系サイディングボードに相当する」というイメージを湧いていただければ、ご理解・ご納得できるかもしれません。

4.コンテナハウスは雨漏りする

単体中古コンテナを使う場合の雨漏りはほとんどペンキとメンテナンスの問題なので、解決するのに簡単です。コンテナハウスを利用するにあたって、もっと多いのは壁一部を取り除き、複数のコンテナを連結して使う方式です。この素晴らしい発想が生まれて以来、ずっと伴った問題の一つとしては連結部の雨漏りです。

現在、連結部雨漏りの解決方法として一般的に使われる方法は3種類です:
1) トタン鋼板やガルバリウム鋼板などでコンテナハウスの上に大きい屋根を追加する方法
2) コンテナハウスの屋根構造自体が連結防水型に改良設計される方法
3) 溶接やコーキング材に頼る方法

弊社は独自で開発した新型連結用コンテナハウスの屋根は方法2に属します。各方法のメリットとデメリットは別の文章でまた検討するとのことで、ここで割愛いたします。

5.コンテナハウスの天井高が低い

昔からの木造住宅の場合、220cm天井高が多かったが、近代に入って、日本人は「畳の上の生活」が「椅子の上の生活」に転換するにつれて、天井高も240cmに切り替わったのです。場合によって、部屋内快適さを重視するマンションが「250cmの天井高」をキャッチフレーズにすることもあります。では、コンテナハウスの天井高さはいくらなのか?

標準高(GP)コンテナの天井高は220cmくらいに対し、背高(HQ、ハイキューブ)コンテナの天井高は250cmくらいあります。標準高は確かに現代の日本人の生活習慣において低いが、背高型のコンテナハウスの天井高は全然快適です。コスト上もさほどの差はないので、現在主流の建築用コンテナはほとんど背高型(HQ)コンテナです。ちなみに、日本建築基準法の定めた居室最低天井高は210cmです。

6.コンテナハウスは錆びやすい

「コンテナハウスは鉄で作られて、錆に弱い」との説はよく耳にします。鉄で作られたのは事実ですが、鉄の外ついているペンキがいつも見過ごされているような気がします。コンテナハウスのペンキときたら、海上貨物コンテナと同種類のペンキシステムを採用してあり、海洋気候でも10年の耐久性、一般都市気候では13~15年の耐久性、内陸農村部では20年近くの耐久性を持つ素晴らしい重防食塗装システムです。この塗装のお陰で、コンテナハウスは決してすぐ錆びて滅びるものではありません。

おそらく、「コンテナハウスは錆びに弱い」印象をもたらしたのは港で積み木のように積み上げられたボロボロ、デコボコ、所々錆び始める中古コンテナではないかと存じます。一つ断っておくべき事実は、これらのほとんどは海上で10年以上の服役期間を終え、ペンキ寿命が終焉に近く、修復するより、新造のほうがメリットが多く、船会社に淘汰されたものなのです。新造コンテナハウスの場合はペンキシステムも斬新なので、長年的な維持管理費としては上塗りだけを塗り替えた中古コンテナには決して比べられないです。コンテナハウスのペンキについてもう少し知りたいのなら、このリンクをクリックしてください。

いかがでしょうか?コンテナハウスのデメリットのそれぞれ再認識できましたか?デメリットと言っても、ほとんどはコンテナハウスに対する偏見や間違った印象から生まれたものかもしれませんね。

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