施工事例10の3 民泊・ホテル連棟コンテナハウス(イレギュラー・サイズ・コンテナハウス)
今回の民泊・ホテル連棟コンテナハウスプロジェクト(プロジェクトの全貌を見たい方はこちら、 施工事例10の1 民泊・ホテル連棟コンテナハウス (概況・設置後パース))の中に、建築意匠上の連続性、土地形状的な都合、また在来工法と比較した時において経済面のメリットなどの理由で、2台の8フィート(8Ft)ハイキューブコンテナハウスが応用されました。これをきっかけに、イレギュラー・サイズ・コンテナハウス(標準寸法である20Ft・40Ft長さではないコンテナ、コンテナハウスの外形寸法についてもっと知りたい方はこちら)の応用製造事例として、運送上の注意点含めて、軽くご紹介いたします。
コンテナハウス連棟の一部として使わる8フィート・イレギュラー・サイズ・コンテナハウス、玄関ポーチ(風除室)と廊下に当たります。
コンテナとして運送される条件・制限
コンテナハウスの外形寸法はコンテナ船、コンテナヤード重機、コンテナトレーラーなどの既有コンテナ物流システムをそのまま簡単に利用できるようにするために、厳格な寸法制限を受けています。簡単に言えば、まず、コンテナハウスは20フィート(20Ft)或は40フィート(40Ft)の貨物コンテナと同様な外形寸法と固定孔類を保有しなければなりません。そして、輸送中の振動、重機による吊上げなどは無論のこと、船上やヤード内での何層もある積み重ね(スタック)・固定、船が台風に遭遇した場合でもコンテナスタックの荷崩れが発生しないなど、剛性的にも・強度的にも厳しい条件を満足する必要があります。
上記に述べた運送条件をクリアし、不測事態時の安全確保も考慮に入れ、厳密な構造計算を経て設計されたのが今回の「8×2+4=20Ft」の運送連合体です。2台の8フィート(8Ft)イレギュラー・サイズ・コンテナハウスが4フィートのジョイントパーツを挟んで、高力ボルトによる頑強な締結で、連結された20Ft運送用構造体です。分離作業時・据付時の吊作業利便性も考慮に入れ、8フィートブロックの連結側にも吊り孔を用意してあります。
8Ft連合体の設計用モデルです。
工場生産中の風景
実際に生産中の8フィートコンテナハウスの骨組みです。大体の様子がもう見えてきましたね。
コルゲート鋼板を嵌め込み、コンテナに変身する8フィート構造体です。現地では、手前のは玄関ポーチ、ちょっと遠くにあるのは廊下部分になります。
塗装後、連結後のイレギュラーコンテナハウス運送連合体です。図面と照し合わせたら、そっくり!パースと比較しても、そっくり!(っていうか、まっ、当たり前ですけどね…)
イレギュラーコンテナ運送連合体の内部です。
イレギュラーコンテナ運送連合体のジョイント部材、上は高力ボルトで連結されている部分です。
イレギュラーコンテナの屋根に上って、見えた勾配の付いたコンテナ屋根です。
コンテナトレーラーに載せて、何千キロの旅を立つイレギュラーコンテナ運送連合体です。
終わりに
当然ながら、8Ftではないイレギュラーコンテナも対応できます。ご希望の寸法に合わせた臨機応変の単独設計なので、案件ごとに検討できます。
以上をもって、イレギュラー・サイズ・コンテナハウスの応用事例をご紹介いたしました。お役に立てれば、幸いです。