コンテナホテルの常識を覆す新レイアウト案――幅広型コンテナホテルの誕生!
コンテナハウスのビジネスホテルは一般的に20Ftハイキューブコンテナを採用します。これは、洗練された選択のようですが、実はもっと改善できる部分があります。
ホテル用途の20Ftコンテナハウスの欠点
一人用の部屋としては、数字的に面積数(14.7平米ほどの建築面積)が大きいが、実際はさほど広く感じません。なぜなら、細長い形状に制限され、ほとんどの余裕面積が機能空間(トイレ・玄関・寝室・浴室)を繋げるための「通路」になってしまうからです。「通路」は狭く、居住空間の広々感に貢献できず、無駄な面積になってしまうだけです。が、「無駄」だからと言って、建てる時に該当面積のコストは、一文も少なからず支払わないわけがないです。だから、この観点から見れば、20FTコンテナのホテルレイアウト案はコスパ性がものすごく低いです。

20Ftコンテナのホテルレイアウトを検討する時に、入り口付近の空間は、どう利用しようとしても利用できないあげく、「手前はロッカーにして、奥はパイプスペースにしちゃおう」という同時に気づいて、「あっ、そうか、給排水は床下から直なのか?じゃ、しようがない、デッドスペースにしちゃおうか。。。」と経験したことはありませんか?或は、せっかくの室内用途を放棄して、玄関外の庇にするとか、給湯器置き場にするとか、いずれにしても妥協そのものです。
これらの妥協が免れない理由はたった一つ、融通の利かない20Ftコンテナの「細長い」外形寸法です。細長いから、どうしても無駄が出てしまうのです。この細長い長方形を何とか、もうちょい短めに、太めにする方法はないのか? という本音を言ったことがありませんか?
今、Uni-Konからの答えは「Yes!」です。
幅広型コンテナホテルレイアウト
そこで、今誕生したのは、細長い長方形客室をより正方形に丸めた40Ftコンテナ2連棟レイアウトです。下図のように、40Ftを2連棟し、そしてさらに4分割した結果、内長4.52mx内幅2.85m(長幅比1.59、純室内面積12.88㎡)客室を4つが得られます。典型的な20Ftコンテナハウスの内寸は内長5.64mx内幅2.1m(長幅比2.69、純室内面積11.84㎡(建築面積は14.7㎡、どれだけの面積が浪費したか?!))と比較すると、なんと、細長感を40%以上(長幅比2.69→1.59)削減することによって得た実感上の「広々感」だけでなく、実測数値上も9%(12.88/11.84=108.8%)近く確実に大きくなっています。40Ft x 2 ÷4=20Ft、算術上両方がイコールであるはずの方案は、40Ftの部屋間壁共有することによって、見過ごせないほどの有効室内面積を稼いだわけです。

具体的にレイアウト例を見れば、すべての機能空間が中心にある「大空間」の周りに均等分布されていることが一目瞭然です。言い換えれば、20Ftの時に免れなかった単純な「通路」や無駄な「デッドスペース」などは全部一気に一つの「大空間」に融合されているのです。この大空間で、筋トレしたり、ヨガしたり、或は単純にごろ寝したりして、従来のビジネスホテルでは味わえない「解放感」に晒されて、一日の仕事で溜まった疲れと「窮屈」を一気に解消していく、これこそ、低い長幅比レイアウトの魅力です。

快適さ以外のメリット:様々の面でコストダウン
メリットは、これだけではありません。投資面では、製造コスト、運搬コスト、基礎工事コスト、運営コスト、土地コスト、メンテナンスコストのいずれも20Ftコンテナ時により下がります。具体的には、以下の通りです。
製造面では、20Ftコンテナホテルは約101万円/部屋の製造コスト(躯体、開口、塗装、軽天下地LGS、6面ウレタン吹付断熱施工込み、建具・内装仕上げ別、以下同様)に対し、40Ftx2台=4部屋の場合、約91万円/部屋で済みます。
運送面も、当然40Ft側有利で、部屋ごとの海運・日本陸運費用として、40Ftは約20Ftの8割以下です。典型的な20Ft運賃(海陸両者)が23万円/部屋としたら、40Ftの方は18万円/部屋程度です。
基礎面は、こちらでは最新情報を把握しておりませんが、平米単価1万円という説があります。が、同じ投影面積にしても、40Ftx2台の連棟基礎1つより、単独の20Ft基礎4つの方が手間4遍掛かる分、高いことが容易に想像できます。
運営コストの面では、光熱費の節約が期待できます。ほぼ同じ床面積にしても、部屋同士がくっ付いている40Ftx2連棟の方が別々離れている20Ftx4つより外皮(外気に触れる壁)の面積が著しく(25%超え)減少することによって、熱放散・熱吸収のいずれも小さくなり、冬期間の暖房費用、夏期間の冷房費用が大幅ダウンできます。一方、外皮面積が小さくなった分、節約した断熱面積を断熱材の厚みに投資しなおすことによって、さらなる向上した断熱効果と省エネ効果が得られます。
上記メリットのほか、部屋同士を集まらせることによって、コンテナ外周周りの土地面積の節約、外皮面積縮小によるメンテナンス(数年後、塗装しなおすなど)費用の低下、設備(エアコン、給湯器、配電盤など)共用統合(複数台の小出力設備を1台の大出力機種に切り替わること)による投資コスト低減など、まだまだたくさんあります。
40Ftx2連棟を採用時の注意点
騒音・プライバシー保護:20Ft客室の分離と違って、40Ft2連棟で客室をくっ付けることによって、プライバシー・隣部屋騒音問題が重視すべきです。まあ、これは従来建築でのホテル運営時に必ず面する一般的な問題なので、間壁内部の吸音材(グラスウール)充填や軽天下地の吸音施工工法の採用などで解決できます。
消防: 40Ftx2台連棟しても、建築全体の規模がまだ小さく(精々60平米以下の建築面積)、制限があるとしても避難用の開口サイズのほか、部屋間壁の防火仕様程度にとどまります。別に大した問題にはなりません。
採用する40Ftx2連棟コンテナハウスについて

弊社は40Ftコンテナハウスの連棟方式に対して、豊富な屋根仕様があります。本方案のように、長側面をくっ付けて連棟する場面に適する「短辺排水勾配屋根仕様」がちょうどよいです。

該当屋根仕様は名の通り、通常の40Ftコンテナ屋根のように両長側から排水するのと違い、真ん中が高く、両端(2.438m短辺)が低い屋根勾配となり、ドア・窓などの進出ルートのある長側面への落水・落雪を天然的に免れています。その上、この構造により、屋根のコンテナ同士連結部が屋根板より高い位置にあることによって、連結部での雨水溜まりやまたそれによる雨漏れの心配を根本から除去できています。また、他社では通常別のトタン屋根をコンテナの上に敷設すると違い、コンテナ自体は工場内全溶接鋼板屋根で対応しているので、台風によるトタン屋根飛ばしの心配と二度手間・二度コストから解放される一方、積雪1m以上の強度(デフォルト仕様、必要応じて、さらに強化するのも可)で、台風の暴れる沖縄から積雪のすごい北海道まで、日本のどこでも平気で適応できます。(該当屋根仕様に関して、もっと知りたいかは、コンテナ連結連棟屋根までご覧ください。)
屋根は外部で勾配となりますが、内部天井はフラットなので、仕上がり上・美観的な問題はありません。HC(ハイキューブ)コンテナを採用することによって、内部天井高さ2.5mほども確保でき、天井低いの問題もありません。
終わりに
いかがでしょうか?コンテナホテル・民泊・寄宿舎・寮を開設したい方は、ぜひご参考になってください。次回は、客室単室の製造コストを70万円以下に抑えられるもっと抜本的なレイアウト案をご紹介するので、ぜひお楽しみください。