施工事例14 住居・事務所兼用屋上テラスデッキ付きコンテナハウス
今回は事務所兼住居コンテナハウスの施工案件をご紹介いたします。離れた2台のコンテナハウス、1台は仕事1台は生活で、きっかり分けて、事務所コンテナで集中して仕事を済ませて、隣の生活コンテナですっかりとリラックスし、一人暮らしのテレワーク(在宅勤務)される方にとっては理想的な家のレイアウトと言えるでしょう。両コンテナの間は雨除けの付いたデッキ空間で繋がれ、室内外の床面が同レベル、室内が隙間なく室外、また向こうのコンテナ室内と一体化され、小さい部屋の中で生活する窮屈感は一掃されます。さらなる解放感を望むなら、両コンテナの上に各自屋上デッキが装備され、しかも架橋で繋がれて、大展望台のような広々な屋上庭になっているので、そこで友人とバービーキューをやったり、一人で星空の眺めながら、ビールを飲んだりするのも気持ちよいでしょう。一人暮らし、テレワークがますます多くなってくる新世代のライフスタイルに意外と合うコンテナハウスではありませんか。肝心なのは、安価!建物の上物部分はわずか400万弱、車1台程度で自分のライフスタイルに合う個性的な家を建てられて、負担のない生活をスタートしようじゃありませんか?
案件概要:
納品範囲:20HQ(背高型)コンテナハウスx2台(LGS軽天下地施工+ウレタン吹付断熱施工付き)+付属品キット(架橋型屋上テラスデッキ鉄骨+手摺り+階段+雨除け)
納品時期:2022年5月
納入場所:奈良県
参考価格範囲:400万円以内(運賃・基礎・据付・電気・配管・内装ボード張りなどの後続費用別)
コンテナハウス設計の流れ
簡単に言えば、施主様の建築士から上図のような平面レイアウト図をもらうことからスタートします。こちらは平面図を見ながら、3次元モデリングを起こします。モデリングが起こされたら、検討がより具体的になり、鮮明化になります。平明図を見ながら想像しなくても、素人でもすぐ問題発覚できるパース画像が得られます。
実は、「ここのドアが余計かも」「わぁ!階段の角度が険しすぎる!」「手摺りの柵隙間が大きくちょっと密度を上げたほうが良いかも」「ここに雨除けがあったらいいな」など、これらは全部設計段階で、パース画像を見てから施主様からのご感想とご意見でした。これらのご意見を反映した設計の変遷は一枚一枚パース画像で記録されています。
そして、何度も設計修正を加えられて、オーケーサインを頂いた最終設計は以下のようになります。
弊社のパース一致性は100%
弊社のパース画像は単純に意匠用のものとは違います。意匠用パースは食品包装によく書いてある「あくまで参考イメージ」のような前提があるのに対し、弊社のパースは実際製作図面の副産物のようなもので、「100%の一致性、実物は本当にこうなる」という仕組みになります。この辺の事情は以下のデッキの省いた状態の「スケルトン」パースの複雑度から反映できます。細かく見れば、ボルト孔や排水隙間までが察知できます。
上記の「一致性」に恵まれて、パース画像が施主様のゴーサインを頂く同時に、パースそのままの下図のような承認図面がご提供できるので、設計がその時点で漏洩なく固められます。
設計は見た目だけではない
無論、設計は見た目だけ、形だけではなく、安全性、耐久性への検討は見えない舞台裏で常に行われております。
コンテナハウス実際製作風景
CGパース画像との「間違い探しゲーム」
製作過程は別の施工事例で結構述べたので、今回は直接仮組段階まで早送りします。事前検討段階のパース画像を用意して、実物と並べて写真を撮りました。定番の「パースVS実物間違い探し」ゲームですが、ちょっと飽きてきちゃったかな。
実物近景:
1ライン式手摺り:
今度の手摺りも「1ライン式手摺り」でした。「1ライン」とは各段の手摺りの手で掴むところ(横木)が最初から最後まで途切れのなく一線のように首尾繋がっていることです。上図の階段の左手摺りの下端がスタート点であれば、右手摺りの下端がゴール点になります。この点は下の鳥瞰図からより明白に見えます。
こうすることには、設計面で不便があるものの、出来上がった手摺りが一体性良く、頑丈できれいでメリットばかりです。設計時のちょっとした苦労で、建築に何十年ものメリットがもたらせるのなら、この程度の設計手間は安いものです。
手摺りは人力で運びやすく、コンテナ内部に収納できるように分断し、相互にまたデッキ大梁にボルト連結構造になっています。上図を見れば、手摺りは10何種類もあり、製図は確かにやや大変でした。でも、効果はよかったですよ!
ついでに、上図の部材は、屋上デッキキットの内容になります。階段やら、大引きやら、根太やら、手摺りやら、数えれば結構の量でした!コストもそれなりに掛かりましたね。屋上デッキキットは一般的には下のJIS鋼材コンテナ躯体(20Ftか40Ftかを問わず)の30~40%程度のコストが掛かりますからね。
塗装工事:
仮組検査確認後、塗装段階になります。皮が木の命のように、塗装は鋼鉄製品の命です。ショットブラスの除錆素地処理は重要です。その後、外部3遍(防錆下塗り、増厚遮断中塗り、高靭性・耐候性上塗り)塗装、内部1遍防錆塗装を施します。今度の上塗り塗装は黒色でした。
LGS軽天下地工事と断熱工事:
そして、オプション工事であるウレタン吹付け断熱施工になります。その前に、LGS軽天下地工事も必須になります。ウレタン吹付け断熱施工は他の断熱材料には掛け替えのできないメリットがあります。それは気密性です。下塗りがあるものの、鋼鉄製品にとって内部結露が流石に芳しくないので、気密性能高いウレタン吹付け断熱なら、この心配が払われます。
他に細かい設計上の工夫も沢山コンテナ躯体に潜んであります。例えば、上図の右上に見えるのは、両コンテナの間に挟まれる雨除けの大梁が、基礎や据付の誤差によるコンテナ位置変動に影響されないまま、きちんと連結・固定できるためのギミック的な細部設計でした。
据付・組立指導要領書:
今回のように、単純なコンテナだけではなく、付属キット部材が沢山ついている状況では、詳細な据付要領指導書がなければ、お客様としては心細いでしょう。ご心配は要りません。下記のような詳細な据付指導書(一部)は必ずついています。素人でも、模型やガンプラを作るように、図と照らし合わせながら、据付・組立ができます。
終わりに
以上をもって、屋上デッキ付き、事務所兼住宅コンテナハウスの案件をご紹介いたしました。JIS鋼材コンテナハウスを作りたい方、是非Uni-Konにお声をお掛けくださ!では、また今度ね!